3月9日の報告です。
今回は塗りの教室の様子をご覧いただきます。
以前も挑戦した生徒さんがいらっしゃいます、お猪口を塗っていきます。木地の状態に最初に行う工程は木地固めです。木地にたっぷりと漆を染み込ませましょう。ここでたくさん漆を使う程漆器は丈夫になります。時間をかけて乾燥させた良い木地程たくさん漆を吸い込み、あんまりたくさん漆を吸うので不安になったりしますがお構いなしです。これでもか、というくらい吸わせてください。しっかり吸い込ませたら表面に漆が残らないよう、布で拭いて終了です。一回漆を染み込ませるだけでこんなに良い色になります。
さてこちらの乾漆の器はいよいよ大詰めです。上塗りに挑戦です。何度も研いでは塗ってを繰り返してきた御陰で表面は平らになり、 上塗りを入れると鏡のようにトロッとした表情になります。緊張の瞬間ですが、塗りの仕事の醍醐味もまたこの瞬間。何枚もの濾紙で埃を取り除いた漆を、静かに静かに塗っていきます。それでもわずかに入ってしまった埃は、蒔き絵筆などでひとつひとつ取り除いていきます。節上げと呼ばれる作業です。
このひきだしに見覚えはあるでしょうか。先日まで角が凹んで黒や木地が見えていたアレです。赤い下地を使って補修したらこんなに奇麗になりました。一度下地を付けただけでもこの仕上がり。これで全てのひきだしが奇麗に直ったと思うと、先が楽しみです。
今日はここまで。
10月13日後編です。
まずはこちら!
拭き漆のお椀が完成致しました!おめでとうございます。お椀はなんといっても漆が一番。その中でもシンプルながらとてもおすすめなのが拭き漆のお椀です。しかも今回は丹念に丹念に拭き漆を重ねて仕上げましたので、愛着も人一倍です。こちらのお椀はお味噌汁用。感想を楽しみにしております。
今日はニューフェイス続々です。この魅力的な作品は、なんと拭き漆の手作りおもちゃ。生まれたばかりのお子さんに作ってあげるのだそうです。漆はしっかり乾いていれば、どんな塗料よりも安全でなにより手触りが最高です。口に入れても大丈夫です。子供にこそ良いものを、めじろ会の会訓にしようと思います。
蒔絵の盃も、あと一息です。前回胴摺を終えたので今日は摺漆。漆を染み込ませて拭ききるという作業は拭き漆と同じことですが、より丁寧に、傷を入れないように綿で摺り込むこの工程は特別に摺漆と呼んでいます。摺漆を数回重ねることでどんどん艶があがっていきますので、乞うご期待です。
金継にも新たな仲間が加わりました。蛍手の模様が魅力的なお猪口です。みごとに割れております。でも大丈夫。金継で直してみせましょう。
ガラスの金継にも挑戦です。
ガラスの場合には接着面も透けて見えてしまうので、割れ口に金箔を貼っておきます。金箔は扱いが難しいですが頑張って。紫と金の対比はとても美しいです。
と、今日はここまで。盛りだくさんな一日でした。秋は魅力がたくさん。めじろ会WEBでは漆にまつわる展覧会の情報も掲載しております。食欲の秋はもちろんのこと、芸術の秋を楽しんでみるのもおすすめです。