【教室】2013年7月21日(日):髹漆
続いて髹漆チームの報告です。
おお、前回上塗りをしたお猪口は見事な仕上がり。ついに最終工程、金の研ぎ出しです。
研出し蒔絵は慌てず騒がず。炭研ぎは8割程度でいったん様子を見ます。
研げたら摺漆です。摺漆は生漆を綿で摺り込み、漆塗膜にしっかりと漆をしみ込ませます。摺り込んだらしっかりと拭ききり。見た目にはほとんど変化のないこの作業ですが、塗膜がしっかり固くなり大きな傷が埋まってくれるので、今後のつや上げに大きな助けとなります。
棗と拭き漆の器も久々の登場。今日は一度細かい耐水ペーパーで表面を滑らかにしました。なんどか拭漆を重ねた後に研ぐというのは少し抵抗があるかもしれませんが、この研ぎをした後の器の滑らかさと言ったらたまりません。いつまででもなでていたくなります。そこにもう一度拭き漆を重ねることでさらに美しく、手触りも良くしあがります。
お隣の棗は内側を炭研ぎしました。こちらは次回紹介することとしましょう。
八画箱は底面の下地付けと、蓋裏の上塗りを行いました。底裏はサビ付けです。サビは水で溶いた砥粉に漆を入れた、粒子の細かい下地。柔らかい下地は柔らかい篦で、薄く均等に付けましょう。
こちらは上塗りに挑戦です。
上塗りは今までの塗りよりも遥かに気を使わなくてはいけません。埃は、空気中にも、器の上にも、刷毛の中にも、そして漆の中にも入っています。これらを全てきれいに取り除くのは至難の業です。漆をきれいに濾していきます。きれいな漆を得る為には10枚以上の濾紙を重ねて濾すこともあります。
きれいな漆になったか確認する時は、このように定盤の上に延ばして光りを反射させてみてみましょう。つぶつぶした埃が見えなければきれいな漆になった証拠です。
きれいな漆で刷毛もきれいに洗い、器に乗った埃も払ったらいよいよ上塗りです。まずは一気に漆を配っていきます。次にしっかりと刷毛を通して厚さのむらをなくし、縦横斜めに刷毛を通しながら徐々に力を弱め刷毛目を消していきます。
うまく漆が塗れたら最終確認。もし大きな埃がはいっていたら蒔絵筆などの先を使って取り除く「節上げ」を行います。
上塗りは緊張します。終わったらもうへとへと。今日はここまで。
今日のおやつはこちら。
調査でスペインに行って参りましたので、スペイン土産のMAZAPAN(マサパン)です。ちょっとぽそぽそしていますが無糖の紅茶と一緒にいただけばいい相性です。いろいろな形もあって楽しいお菓子でした。