やすり-ふん(▽鑢粉)

蒔絵粉の一種。現在使われている蒔絵粉は造り方が洗練され一粒ひとつぶ形が整っているのに対し、金塊・銀塊をおろし金や鑢(やすり)で削ったままのものを鑢粉と呼ぶ。この形状の金粉が使われている代表的な例として正倉院に保管される金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうのからたち)がある。ごつごつしていて大きさも多様なため、現在市販されている金粉とはひと味違った蒔絵表現が可能となる。