2013年4月21日(日)教室:乾漆・炭研ぎ

みなさんこんにちは。季節はずれの寒さですね。
4月も後半ですから冬将軍にはそろそろ引退していただきたいものですね。
寒さに負けず今日のめじろ会報告です。

本日は乾漆の貼り込みからご紹介しましょう。
めじろ会では2人目の乾漆となりますが、
こちらの方はシンプルなお皿に挑戦です。
既にご存じの方は復習のつもりでご覧ください。

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まずは離型剤を塗ります。糊は良く練っておきましょう。

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こちら、砥の粉(とのこ)です。

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糊と練り合わせて、糊砥の粉にし、
水を足して筆で塗りやすい固さに調節します。

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だまがなくなるまで良く練ったら筆で型に塗りましょう。

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離型剤を塗ったら刻苧を作り、
麻布に擦り付けます。麻布には厚みのある蚊帳が◎。

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これを型に貼り重ねていきます。4枚程度重ねましょう。

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できたら上から木粉を蒔き付けて、さらに「ぎゅぎゅ」と押さえます。
このときになるべく凸凹をならしておくと良いです。
貼込みはこれで完了。この方法は乾漆の中でもちょっと珍しい方法ですが、
1回でしっかりと厚みを作れるので便利です。
そのかわり乾燥期間を4〜7日くらいしっかりと取りましょう。

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ああ…油断したら刻苧がかちかちに。今日は雨が降っていたので
漆の元気が良すぎたようです。油や灯油でがんばって掃除します。

次はお猪口の塗りを見てみましょう。

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このブログでも何度か出て来たお猪口の塗りですが、今日は研ぎに注目。

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漆を研ぐときに便利なのが研炭(とぎずみ)。
中でも今回は柔らかめな駿河炭を使います。
この炭は油桐という桐の木でできています。
大きな固まりを金鋸(かなのこ)で適当な大きさに切ります。

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粗めの砥石を使って持ちやすい形に整えたら、
肌理(きめ)の細かい砥石で表面を滑らかにします。

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研ぐ時は手首をうまく使って、
うつわのカーブに合わせるように炭を動かします。

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研ぎ炭は耐水ペーパーと違って、凸凹の凸部分だけが研げます。
これが研ぎ炭のいいところ。より平らで滑らかな面を作ることができます。
黒く残っている部分が凹んでいる部分です。

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塗りはもうお手の物ですね。

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この写真に写っている美味しそうなものは笹団子です。
笹団子は漆芸の材料ではありません。美味しくいただいてしまいましょう。
ごちそうさまでした。