2013年3月10日(日)教室:乾漆・金継ぎ

寒い冬も漸く終わり、暖かい日々がふえて参りました。
ちょっと油断すると夏日なんてことにもなったりして、
待った待った、と季節にブレーキをかけたい今日この頃です。

さて今日はどんな漆仕事になったでしょうか。早速見ていきます。
今日の主役はふたつです。まずは先月麻布を張り込んだ乾漆のうつわから。

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前回はここまで。これが…

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ご覧の通り、スプーンに張り込んだ漆たっぷりの麻布は
かちかちに固まって手で触れるようになります。
写真は型から外して周りの余分な布を切って形を整えているところです。
結構固いので金鋏とかで切ると良いです。

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さらに細かい部分を切り出し刀などで微調整。

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大体の輪郭ができたら鑢で縁をさらに整えていきます。
形はできるだけこの段階で整えておきましょう。

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花片の様な素地が完成です。
端のひだひだを残しているのは今後の持ち手にする為。
早くも乾漆のうつわが見えてきました。次回は下地です。

もうひとつの主役はこちら。

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ベトナム産のうつわに金継ぎが完成です!いい!すごくいいです。
まずは完成写真をお楽しみください。

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素朴な土の質感に柔らかい金色がなんともバランスが良く、
博物館で『大名物』なんて書かれていたら納得してしまいそうです。
ベトナムの土と日本の蒔絵が生み出した傑作ですね。

さてこちらも進んでおります。3D printedうつわです。

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着々と塗り重ね表面が奇麗に仕上がっていきます。
しかしこれは形が難しい。均等に塗るのも大変ですが研ぎはもっと大変。
奇麗に仕上げる為にはもう少し試行錯誤が必要なようです。

そして最後に特別ゲストのご紹介。

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この方は岩手で活躍する漆掻きの猪狩さん。
以前、めじろ会では特別授業をしていただき大好評でした。
この度はお仕事で東京にいらしたとのことで
めじろ会にもお立ち寄りくださいました。
漆掻きはこれからの漆の未来を左右する
我々の命綱とも言える大切なお仕事です。
猪狩さんは熱くて優しいとても魅力的な若手漆掻きさん。
同じくうるしマニアの私と漆談義になるともう止まりません
(まわりが引き気味になるのは言うまでもありません)。
今度またゆっくりお話させていただきたいです。